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  パソコン授業の苦労話




2020年度、2021年度、2022年度、技術科情報の授業は大変苦労しています。
それは2019年度まで出来ていたことが、出来なくなったからです。
そして現状が続けば、今後はさらにひどい状況になっていきます。



2019年度まで、コンピュータ室には、ノートパソコン40台が生徒機として設置され、
先生機からは、生徒機全台を一斉に起動し、不具合の有無を確認出来ました。
生徒機には学校が独自に購入したソフトがインストールされ、授業で活用していました。
生徒機、先生機、サーバーは、有線で接続していたので、
データの送受信がとても早かったです。
生徒はパソコン室に来て、共通のID、パスワードで起動出来ました。
授業で作成したデータはUSBメモリまたは校内サーバーに保存することが出来ました。
授業後、パソコンの電源切り忘れがあれば、先生機から一斉にシャットダウン出来ました。
それでもパソコンはいろいろな不具合が発生しました。
不具合が起これば、すぐに業者に連絡し、修理、改善してもらえました。

技術科情報で行ってきたことは、
ホームページの作成(Microsoft Word)
アニメーションの作成(MONOmation Studio FS、フリーソフト)
画像処理、グラフィック(The Graphics [ペイント]、学校独自で購入したソフト)
音楽作成(Domino、フリーソフト)
動画作成(Microsoftムービーメーカー)
ポータブルタイプのフリーソフトをUSBメモリに入れての活用



2020年度、パソコンのリース更新になり、生徒機はタブレットPCになりました。
メーカーは、便利で、水の中でも使える(!)と説明しました。
画面はとても小さく、作業がしづらくなりました。
タブレットPCはコンピュータ室に設置せず、
充電装置があるスチール棚2台に保管するようにとなりました。
しかし、授業のたびに生徒40人が棚から取り出し、使い終わったら、
棚に戻して電源をつなぐというのでは時間がかかりすぎて授業になりません。
技術科では、タブレットPCをパソコン室に置いて電源をつないで授業を行いました。
生徒全員にはタブレットPCを起動するための個別のID・パスワードが与えられました。
ID・パスワードは複雑なので、起動出来ない生徒がいたので苦労しました。
授業で作成したデータはUSBメモリに保存することが出来なくなりました。
仕方がないので、データはドキュメント内(どこかにある管理会社のサーバー)に保管し、
定期的に校内サーバーにバックアップを取るようにしました。
手間のかかることが増えましたが、授業は何とか行えました。



2021年度、新型コロナウイルス感染拡大により、政府が1台につき45,000円を出すので、
各自治体は予算を追加して、児童生徒一人につきPC一台を持たせるようにとなりました。
区では、これまで使っていた生徒機40台と新たに購入したタブレットPCを
合わせて生徒に配布しました。

コンピュータ室からPCが消えました。

生徒は、授業のたびに自宅から重たいPCを持ってくることになりました。
タブレットPCは自宅で充電することになっていますが、
充電しても2時間くらいしか使えないため、
技術の授業では、AC/DCアダプターも持参してもらい、
パソコン室の全机にある電源に接続し、授業を行いました。
さらに生徒はマウスを持っていないので、コンピュータ室に全員分あるマウスを使いました。

授業は困難になりました。
学校独自で購入したソフトはインストール出来ないので、使用出来ない。
タブレットPCを忘れた生徒は、貸出用PCが無いので、作業が出来ずに見学をする。
タブレットPCの画面がさらに小さくなり、細かな文字が読み取れなくない。
設定を変更して文字を大きくすると、作業全体が画面に収まらなくなる。
インターネット、校内サーバーとの通信が無線Wi-Fiになったので、
データの送受信が重くなった。
(複数のクラスが同時にネット検索をするのは不可能)

技術科情報で行ったことは、
ホームページの作成(Microsoft Word)
アニメーションの作成(MONOmation Studio FS、フリーソフト)
画像処理、グラフィック(The Graphics [ペイント]が使えなくなったので、
機能が劣るがPhotofiltre 7、フリーソフトで代用)
音楽作成(Domino、フリーソフト)
BASICによるプログラミング(動画作成、USBメモリの活用が行えなくなったので、
MBASIC86、フリーソフトで昔の授業を復活)



2022年度、技術科情報の授業はさらに困難になってきました。
コンピュータ室で、タブレットPCを持参して行うのは継続しているのですが、
生徒に与えられたタブレットPCの故障、不具合が頻発するようになりました。

画面に触れても反応しない。タッチパッドが反応しない。キーボードが反応しない。
落としたら画面が割れた。本体が自然に割れたなどハード面での故障が増えました。

マウスでカーソルは動くが、スタートボタンが反応しない。
電源を付けたら、Windowsの更新が始まり、使用出来ないなど、
ソフト面の不具合も起こり始めました。

これを防ぐためには、生徒は、Windowsの更新を自宅で定期的にし、
最新の状態にしなければなりません。
そのための指導も行ったのですが、最新の状態であっても、
2022年7月現在、更新確認が出来ない別の更新が
マイクロソフト社により新たに始まりました。
これはどのように対処したらよいのかが不明です。

故障、不具合が起こったタブレットPCはメーカーに修理に出すのですが、
修理完了するのに1ヶ月以上かかるようになりました。
メーカーが対応しきれなくなったそうです。
PCを修理に出した生徒は、授業で作業が出来ない状態になりました。

技術科以外の教科でのPC活用は、
インターネット検索で調べ学習、ロイロノート(発言掲示板ソフト)で意見収集、
パワーポイントでグループ発表、ネット上の学習ソフトの活用、動画撮影などです。
個人がPCで何かを作る学習でないため、
PCが無い生徒は隣の人と共同で学習することになります。
PCが全台揃ってなくても他教科は問題がありません。

技術科情報は、生徒全員がPCの基本操作を行え、いろいろなソフトの使用法を理解し、
文章、画像、動画、音楽、プログラミング作成などが行えることを目標にしています。
生徒全員が一斉に授業を行える環境が必要です。

2019年度以前は、教員1人でもコンピュータ室および、正常に動くパソコンが40台あれば、
トラブルは少なく、40人授業は行えました。
しかし現状は厳しいです。



2023年度以降、区によっては、コンピュータ室を無くすという計画があります。
コンピュータ室は、かつて数千万円の費用をかけて設置されました。
床はケーブルを通すために高床式になり、2人に1台の高価な専用テーブル、
高価な座り心地の良い椅子40脚、映像音響設備、校内サーバーが設置されました。
それらの設備は現在も使用可能で、今後も使用可能です。

それら高額なものを多額の費用をかけて廃棄するのはもったいないです。
コンピュータ室で授業を行ってきた教科は指導が出来なくなります。
普通教室は狭く、コンセントは2箇所のみなので全員分の電源がありません。


全ての学校がコンピュータ室を無くす予定なのでしょうか?

2022年5月から、国立、都立、私立の学校へ訪問または電話で、PC活用について質問しました。

都立00校  高等部にPC室3部屋あり。
私立00校  PC室、さらにLL教室(PC設置)あり。
国立00校  PC室あり。タブレットPCは学校で保管。
私立00校  PC室、さらにCG室あり。
私立00校  PC室2部屋あり。さらに貸出用タブレットPC 90台あり。
国立00校  特殊な機器を含むPC室(8台、)あり。

パソコンは、常に使えることが大切である。
専門的なソフトが使える、特殊な機器が使えることが必要である。
よってコンピュータ室は必要である、という考えのようです。


情報教育を正常に行うためには、パソコン40台が揃ったコンピュータ室が必要です。
まだ使えるコンピュータ室、設備を無くしてはいけません。

経費削減が目的なら、生徒に配布されたタブレットPCの修理費用の問題解決が必要です。
1台あたり、修理の見積もりだけで2万円、さらに4万円(?)、計6万円がかかる(?)。
それが今後、区内だけでも数百台が発生する。
費用は、保護者? 区? 各学校? が負担する?
それが今後、何十年も続けば、どうなることでしょうか?
このお金の流れを喜ぶ人はいるでしょうか?
いずれにせよ費用は税金です。


コンピュータ室を、国立、都立、私立校のように、昔の状態に復活させ、
生徒への負担がなく、快適に授業が行える環境整備をが必要です。
区が何十億円もかけて整備したコンピュータ室は、まだまだ使えます。

SDGs 質の高い教育をみんなに




2022年8月






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